以前から。
二人の相手をして、ぐったりとくたびれ果てる弟殿の姿を見ていたので、気を引き締めて対応…というかむしろ、戦いに挑んだつもりでした。
だが、敵(をい)は強かった…滝汗
まず陥落したのは、我が城!
すなわち、自室。弟殿が二人の相手をしていたころは、我が城(自室)は"暗黙の了解"という神秘のバリアによって侵入を防がれていたのですが…
この部屋の住人である僕が二人の相手をするにあたり、そのバリアはいともたやすく破られたのです。
突入してきたツインデストロイヤーの前に、なす術など無く。主に画材を中心に見る見るうちに荒らされていきました…凹
そして、最大級のダメージその1。
ビデオデッキの故障が僕のガラスのハートにデストロイ!!
べたべたの手で触ったビデオテープを、かけろかけろとせがむものですから、逆らえずにそのビデオを再生したところ…う、映らねぇ…orz
どうやら、テープに付いたべとべとがビデオデッキのヘッドを「ちぇすとー!」ってな具合に強襲したようで、クリーニングテープも効き目なし…マジでか…
あ、やば、思い出しただけで泣きそうだ…
そんな感じで、とにかくこのままじゃいかんと二人を連れて部屋を出た僕。
けれど、子供の底なしの元気は恐ろしく、結局深夜二時くらいまでノンストップでヘイヨーチェケラー。号泣
その後なんやかんやで、結局僕が眠ったのは朝の六時。
…………。
それから嫌な予感に目を覚ましたのが、おおよそ三時間後。
目を覚ました途端、ズドンと勢いよく我が城の正門が開かれるわけで。
目覚めから一分未満でラウンド2の始まり始まりー
ところが。
ラウンドが始まって間もなくのこと。
それは…その怒涛のラッシュは訪れるのでした。
突然起きた、昨日に引き続いての最大級ダメージパート2。
僕のトレース台で絵を描きたいと言い始めた姉君。
仕方なく、言うことを聞くと、弟君の方も便乗して自分もやりたいと言い始めます。
さて、何が起きたでしょうか?
なになに?
トレース台をラクガキまみれにされた?
ざんねんー。そうではなく。
トレース台の傍らに置いてあった、ペン入れ用のインク。
…はい、どばー。
が、正解でしたー。
…うん。泣くしかない…
大慌てで掃除に取り掛かった僕。とにかく二人を部屋の外に出すと、なんとその時オイラの相棒が…
PSPがさらわれたのです!!!
それから部屋の外で今でも耳に残る、発狂しそうなあの音…
”PSPを階段から落とした音”が、悪夢のように聞こえてくるのでした…
もう…やだ…orz
さすがに落ち込んだ僕。
すっかり精気を抜かれたオイラという名の抜け殻は、傷心の傷を癒すべく、散歩という名の傷心旅行へ赴くのでした。
二人の世話はどうしたかって?
…ごめん
知るかっ!泣
次々と破壊されていった、僕の相棒と呼べる大切なアイテムたち…
それはまるで、戦場で仲間が次々と散っていくかのような光景で…
悲しみにくれた僕には、小ぶりの雨さえ気にならず…むしろ
降るんだったもっと降れよ!!
半端な降り方しやがって!!!
土砂降りになって、オイラの悲しみも一緒に洗い流してくれよ!!!
この、インクまみれの手(掃除の際汚れまくった)も洗い流してくれよぅ!!!!嘆
という感じでした。
…そうだ。川を見に行こう。
人はどうして、傷つくと沢山の水を観たくなるんでしょうね。
海しかり、川しかり。
うつむいたまま、僕の旅路は続きます。
川にたどり着き、しばらくぼんやり相変わらず小雨の降る中、川を眺めていた僕。
…だめだ。川でも、今の僕は癒せやしねぇよ…(どんだけ凹んでんだよ)
家に帰る気もせず、結局うつむいたまま適当に道を歩き続けた結果…
…………。
やっべ。
おいら…
超・マ・イ・ゴ・じゃん★
ぶっちゃけ、帰り途が分かんなくなってしまいました。
方向音痴なのだから、仕方がない。
そして、タイミングの悪い事に…
大ぶりになる雨。
って、をいいいい!!!
今さらさっきの願い事叶えてくれなくていいからぁぁぁ!!!
むしろマジ、それ今嫌がらせだからぁぁぁ!!!
天に突っ込みを入れてみても、状況が好転するわけでもなく。
家に帰るために今できること、それはただ一つ。
歩くこと、歩き続けることだけでした。
土砂降りで、霧も出て、雨の温度も歩けば歩くほど下がってきて。
何より濡れた服に体温をどんどん奪われていく僕。
どれほどの数の坂を上り、下ったかも分かりません。
どれほどの数のカーブを曲がったかもとうに数えるのをやめました。
時折見つける道標は、地名に見覚えはあっても、土地鑑に疎い僕にはあまり意味のないもので、しかもそこには自分の暮らす地区の名を示す表記すらなくて。
一体どんだけ歩いたんだよ僕は、と笑けるほどでありまして。
とにかく、自分の正しいと思った道をただまっすぐ。
相変わらずの土砂降りの中、塗れてずっしりとした重りとなった衣類を纏い、面白いほど震える体と、ガチがちとなる奥歯を制し、棒のようになった足で、ただの重りと化した体を引きずり、うんざりする疲労感とうずく腰や足を誤魔化し、ひたすら歩き続けました。
ふと思うのは、どうして自分はこんな、仕事もお休みななんでもない日常の欠片の中に、頭の端っこにこのまま倒れて、最悪死んでしまうんじゃないかって思えてしまうような体験をしてるんだろう? なんて思って。
そうしたら、何処までも前向き思考が染み付いてる僕は、
お、こんな体験って貴重じゃん!? マンガのネタに使えんじゃん!?
なんてことを思い、精一杯その時思ったこと、感じたことを胸にとどめるよう努めました。
同時にそれが、歩みを進める糧となったのでしょう。
あとはそう。
「最悪、来た道を最初まで引き返せばいいんだし!」
を合言葉に、途方もない道のりを、ひたすら家へと続いている道だと信じ、一歩一歩と歩き続けたのです。
はからずも、無意識にそこに人生なんか重ねて考えてみちゃったりして。
待ってれば事態が好転するというわけでもなく。
目的のためには、自分自身がやっぱり歩いて行かなきゃなんないって。
頼れるものも、結局は自分の足だけで。
超ド田舎で、しかも山の中をさ迷っていた僕には、本当に歩くという手段しかなくて。
あー…傘、持ってくればよかったなぁ…なんて後悔はやっぱり先に立つわけもなかったわけで。
ひたすらに。本当にひたすらに歩いた結果、ようやく見つけたのは、一つの看板。
そこには、自分の暮らす地区の名がびしっと刻まれていたのです。
思わず嬉しくなって、希望が見えた気がして。
でも、果たしてここから家までどれほどの距離があるのか。
携帯も忘れたし、今何時だろう?
このまま日が沈んでしまえば、ますます冷えることは間違いなくて、ちゃんと家に戻るまで意識を保っていられる自信も正直ありませんでした。
でも。
やはり、出来ることは一つしかないんですよね。
自分の道に確信が持てたなら、あとは歩くしかないんです。
”ねだるな、勝ち取れ。さすれば与えられん”って、エウレカで言ってたような気がします。
残った体力に不安を残しながらも、僕は足を動かしました。
そこからカーブを三つほど曲がった時だったでしょうか。
突然、こんな山道に一台の車が通ったのです。
しかも、見覚えのある。
だけれど、そんな都合のいい解釈は絶望につながるだけ。
これ以上モチベーションが下がるようなことがあれば…死…!?
どうせこんなぐしょ濡れネズミを助けてくれるようなお人好しなんていないだろーよー!
どうせオバケかなんかと勘違いしてとっとと逃げてくんだろーよー!
行けよ行けよ!! オイラは這ってでも歩いて帰るから!!
さぁ、通り過ぎていくがいいさ!!!
心の中で、やけを起こした僕がべらボーにふてくされていると、まさかまさか
その車は僕のすぐわきで停車したのです。
「!!!!?」
そしてその運転席に乗っていたのは…
は、は、…母上ぇぇぇぇ!!!号泣
すげぇよ…半分遭難していた僕を、よくもまぁこんな山道で発見できたもんだと、本気で感嘆しました。
それから車に乗り、家へ無事戻るわけですが、その前に。
オイラいったいどれくらい歩いたのさ!?
ってなわけで、僕の歩いてきたルートを母上に運転してもらったわけです。
…うん。帰り道で、また道間違ったよ。
結局どんだけ歩いたかわかんなかったよ…
とりあえず、10キロ以上(土砂降り)は確かってことで。
帰り道間違ったってことは、ひき返したら本気で遭難してたってことじゃん…!
やっばぁ…やっぱ、前に進んだことは間違いじゃなかったね。
良い体験をしたよ。
それはともかくとして。
家に戻ると、ツインデストロイヤー(まだいうか)は、どうやら母上の御友人…すなわち、二人の母上殿にしかられたようで、泣いておられました。
まさか、あいつショック受けすぎて身投げしたんじゃねーか!?
みたいな騒ぎが家でぼっ発していたらしく、てんやわんやだったらしいのです。
ああいや、確かに当初は傷心散歩だったんですけど、途中からは完全に僕の勝手な迷子だったわけでして…むしろ申し訳ないというか…
まぁ、そんなこんなで。
壊れた物は戻らないのだけれど…それを想うたび心はきしむのだけれど…
それでも。転んでもただでは起きたくない僕は、この体験を得たわけで。
どうにかこうにか、結果オーライドンマイボーイエンドガール★
みたいな感じで締めくくったのでした。
追記。
まぁ、当然というか…やっぱり風邪はやらかしたぜってな感じで。
長々失礼しましたー